1章 限界①「ハローワーク帰り」:黒い思想漫画シリーズ1

ハローワークの空気って、妙に明るくない?

壁には「あなたの再スタートを応援します!」とか貼ってあって、なんやそれ、皮肉か?ってレベルで浮いとる。

ワイは、どう見ても“再スタート”できる側の人間ちゃう。
四十半ば。
履歴書スカスカ。
胸張れる職歴もなけりゃ、語れるスキルもない。
やりたいこと?そんなもん、とっくにどっかいってもうて、「できること」すら怪しい有様や。

番号呼ばれて席つく。
担当の職員、やたら冷静で、やたら正論の顔しとる。

「このご年齢で、このご経歴ですと……正直、かなり厳しいです」

初手から首元に刃物突きつけられたみたいな一言や。

「未経験可の求人もありますが、若い方が優先される傾向がありますし……」

知っとるっちゅうねん!
耳にタコできるぐらい、もう知っとる。
でもそれを“公式の事実”みたいに淡々と突きつけられると、逃げ場が完全に塞がる。

「ご希望条件に、PCを使用した業務をご希望とのことですが……」

無理なら無理ってさっさと言えや!

言い返しかけて、飲み込む。
ここでムキになったところで、現実が優しくなるわけやない。

あぁキツい…

ここにおるだけで、身も心もただただ削られていくのが実感できる。

「正直申し上げて、選べる状況ではありません。かなり条件を下げていただかないと——」

“条件を下げる”。
その一言が、やたら生々しい。

給料か、勤務地か、仕事内容か。
いや、多分ぜんぶや。

「最悪の場合、長期で決まらない可能性もあります」

最悪、て。
軽々しく言うなや!ボケ!

なんて、毒づいてしまう自分が情けない。

向こうは仕事や。
毎日、似たような人間相手にして、同じこと繰り返しとる。
そら慣れもするし、遠慮も消えるわな。

でもこっちはちゃう。
これはワイの人生で、しかももう後がない局面や。

相談終わって席立つ。
「またご相談ください」って、テンプレ笑顔で送り出される。

なんやその満面な笑顔わ!

外出たら、昼間の光がやたら刺さる。
世の中、何事もなかったみたいに回っとる。
取り残されとるん、ワイだけみたいや。

再スタート?
笑わせんなや。

→限界②につづく

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