登場人物
ヒマタロウ(45)・・・たまに短期バイト、ほぼニートの絶望中年。
ホソカワ(43)・・・ニート中年。実家暮らし。親が小金持ち。
アイヤン(40)・・・中国人。皮肉おおい。ヨロシ、アルが口癖。アニオタ。中華料理屋でバイトしてる。
場所
ファミレス・深夜2時
ドリンクバー前に集合する中年3人。

ヒマタロウ(45)
「……でさぁ、結局よ。
これからどうやって生きていくか、って話やろ」
ホソカワ(43)
「重っ。ファミレスで話す内容ちゃうやろ。
もっとこう、唐揚げの衣がどうとかさ」
アイヤン(40)
「ヨロシ。日本人、深夜になると急に人生語る、アル」
金の話
ヒマタロウ
「まず金な。
ワイ、短期バイトちょいちょいやけど、
正直、未来見えへん」
ホソカワ
「金はなぁ……
ウチはまあ、親がそこそこ持っとるけど」
ヒマタロウ
「出た、“実家ガチャSSR”」
ホソカワ
「せやけどな、
親の金って、自分の金ちゃうねん。
文句言われながら生きる金や」
アイヤン
「中国、親の金=自分の金、アル。
日本、そこ分けすぎ」
夢は必要か?
ホソカワ
「夢とか、もうええやろ。
43やぞ」
ヒマタロウ
「夢はな、
若い頃は“目標”やけど、
今は“呪い”や」
アイヤン
「夢あると、現実との差で心削れる、アル」
ホソカワ
「夢なかったら?」
ヒマタロウ
「静かに腐る」
生きがい問題
アイヤン
「生きがい、必要アル?」
ヒマタロウ
「正直、
“死なへん理由”が一個あれば十分や」
ホソカワ
「ワイはな、
親より先に死にたくない、くらいや」
アイヤン
「それ、生きがいというより、順番待ち、アル」
趣味があればよくない?
ホソカワ
「趣味でええやん。
ゲーム、漫画、動画」
ヒマタロウ
「それな、
“現実から逃げる趣味”やと、
効き目が切れる」
アイヤン
「ワタシ、アニメ語ると元気出る、アル」
ヒマタロウ
「それは“逃げ”やなくて
“居場所”やな」
恋人どうする?
ホソカワ
「恋人?
この年で?」
ヒマタロウ
「今さら“誰かの人生背負う”の無理や」
アイヤン
「中国、40代独身ザラ、アル」
ホソカワ
「日本はな、
独身=説明責任や」
性欲の話(小声)
ヒマタロウ
「……性欲は?」
ホソカワ
「ファミレスで聞くなや」
アイヤン
「性欲、
・金で解決
・想像で解決
・諦めで解決
三択アル」
ヒマタロウ
「ワイは諦め寄りの想像派や」
ホソカワ
「哀しすぎる分類やめろ」
結局どう生きる?
沈黙。
ドリンクバーの氷の音だけ響く。
ヒマタロウ
「なぁ……
もしかしてやけど」
ホソカワ
「なんや」
ヒマタロウ
「“ちゃんと生きよう”とするから
しんどいんちゃうか」
アイヤン
「ヨロシ。
“雑に生きる”も戦略、アル」
オチ
ホソカワ
「結論としては?」
ヒマタロウ
「金は少し欲しい。
夢はなくていい。
生きがいは気分次第。
趣味は命綱。
恋人は縁があれば。
性欲は……各自対応」
アイヤン
「つまり?」
ヒマタロウ
「とりあえず死なんように、
明日もドリンクバー来る」
ホソカワ
「最低限すぎるやろ」
アイヤン
「でも、それできる人、
意外と少ない、アル」
3人、無言でコーラを注ぐ。
深夜のファミレスは、
今日も中年を生かしてくれる。
——夢はないが、
ドリンクバーはある。









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