


ポンコツの独り飲み会、そのメリットとデメリットについて
——なお、主催・参加者・被害者はすべてワイである。
世の中には「人脈が大事」「飲み会でチャンスが生まれる」などと言う人間がいる。
その理論が正しいことは否定せん。
ただしそれは、人脈を扱えるだけの性能を持った人間の話や。
それはもう特殊な人間や。ポンコツには関係のない話や。
ポンコツが同じことをするとどうなるか。
空気を読めず、話を広げられず、
帰り道で「今日の発言、全部いらんかったな」と反省会が始まる。
いかんでもエエのに二次会いっては反省、
三次会まで行きくさって自己嫌悪。
酒は残り、なんも残らんのが常や。
そこでポンコツのワイは進化したんやな。
独り飲み会という、生存戦略に。
メリット①:誰にも期待されない安心感
独り飲みの最大のメリットは、
「何者にもならなくていい」ことや。
面白い話も、気の利いた相槌も、
成功談も失敗談も要求されへん。
無言でも失礼じゃない。
スマホ見てても嫌われない。
途中で帰っても誰も悲しまない。
これは自由やなくて、免責(何も考えでええ)や。
メリット②:千円で人生を誤魔化せる
キャベツとポテトとハッピーアワー。
千円かそこいらで、
腹と一緒に「今日はこれでええか」という気持ちが膨らむ。
成功も成長もしてへんけど、
少なくとも今は空腹じゃない。
人間、暇の時と、空腹でいるときは、邪悪な哲学が始まってしまうんや。間違いない!
独り飲みはそれを防ぐための、
安価な精神安定剤や。
デメリット①:何も起こらない
独り飲みでは、奇跡が起きない。
新しい出会いも、仕事の話も、
人生が動くきっかけも、ほぼゼロや。
これは致命的とも言える。
「何も起こらない」ことに慣れると、
「何かを起こそう」と思わなくなる。
ポンコツにとっての平穏は、
だいたい緩やかな後退と紙一重や。
デメリット②:全部自分のせいになる
誰かと飲んでいれば、
「今日はあいつが変やった」とか
「店の雰囲気が悪かった」とか
責任転嫁もできる。
独り飲みは違う。
料理が微妙でも、
会話がつまらなくても、
帰り道が虚しくても、
原因は100%ワイや。
これは成長にもなるが、
同時にメンタルも削る。
ポンコツにとっての自己責任は、
わりと重い。
じゃあ家で飲んだ方が良くない?もっと安上がりやない?
たしかに正論や。否定はせん。
激安スーパーとかでなら酒も安いし、つまみも適当で済む。
コスパだけ見たら、外で飲む理由なんか一個もない。
せやけどな、家で飲み始めた瞬間、
ワイは「節約してる人間」やなくて
「外に出る理由を失った人間」になるんや。

その日の満足感がまるで違うねん。
外で飲むってのは、酒を飲む行為やない。
金を払って、
「まだ社会の端っこにはおるぞ」
っていう事実確認をしとるだけや。
家飲みは確かに安い。
でも静かすぎる。
世紀末やねん。
誰にも見られず、誰とも目が合わず、
気づいたら“今日という日”が
何も起こらんまま終わっとる。
静かに静かに終わり続ける感覚は、年取るほどキツくなる。
外飲みの千円は贅沢やない。
延命や。
油とアルコールで体を誤魔化しつつ、
「今日はまだ人間側やった」って
自分に言い聞かせるための出費や(たまにやしな)。
ひたすら家で飲んだ方がええ人間もおる。
せやけどワイの場合、
家飲みは節約で、外飲みは治療や。
せやから今日も外で飲む。

不健康そうに書いてるけど、
キャベツやコーンを山盛り食うて、
多少なりとも運動にもなってるから、
家飲みよりはるかに健康的や思うな。
それでも独りで飲む理由
メリットとデメリットを並べてみて、
それでもワイは独りで飲む。
理由は単純や。
誰かと飲んで「ダメな自分」を突きつけられるより、
独りで飲んで「ダメな自分を管理する」ほうが、
今のワイには楽やからや。
独り飲みは解決策やない。
ただの応急処置や。
せやけど、
応急処置をしながら生き延びるのも、
立派な技術やと思う。
今日もキャベツを噛みながら、
「まだ終わってへんだけマシやな」と
自分に言い聞かせる。
ポンコツの独り飲み会は、
祝杯でも反省会でもない。
ただの延命処置や。
——それでええ夜も、確かにある。








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