黒い歴史2012 第4章 真相:私小説的記録

最初にわかったんは、
密告したんがWやない、いう事実やった。

調べていくうちに、線が一本、変な方向に伸びた。
そこにおったんは――Yさんや。

後からわかった話や。
YさんとWは、既に付き合ってた。
ワイが距離を置いた頃には、もう始まってたらしい。

思い返せば、辻褄は合う。
Wがやたらワイの視線を気にしてたこと。
Yさんが、ある時期から妙によそよそしくなったこと。

ワイは、
何も知らんかったわけやない。
薄々、気づいてはいた。
ただ、確かめへんかった。

ここから話は、ややこしくなる。

盗撮動画を撮ったんは、Wや。
それは間違いない。
会社のトイレにカメラを仕込んだんも、Wや。

その時使われたカメラが、
ワイがプレゼントしたやつで間違いない。

Wは、Yさんに言うたらしい。

「盗撮したん、ヒマやで」

Yさんは信じた。
いや、信じたかったんやと思う。
ワイの漫画も、視線も、全部知ってたから。

警察に行ったんも、Yさんや。

ほんで――
ワイは、自首した。

「ワイがやりました」

そう言うた。

なんでや、と思うやろ。
盗撮してへんのに。

せやけど、
ワイは“やってへん”とは言えんかった。

ワイは、既に盗撮してたからや。

いや、正確には――
ワイはそれを「観察」やと思ってた。

Yさんの席を映すカメラを、
長期間、回してた。
会社の中で。
数か月分のデータが、SDカードに入ってた。

イヤらしい映像はない。
ただ、座る姿勢とか、仕草とか、
コーヒー飲んだり、笑ってる表情見せたりとか。

人間観察。
それがワイの趣味やった。

そのカメラの存在に、
Wはとっくに気づいてた。

SDカードの中身も、
バックアップ取ってたみたいや。

ワイの行為は、
Wの意思によってどうにでも転がる状況。

ワイがやったことは悪質やったのか。
それを決めるんはワイやない。

そもそも、そのカメラをWにプレゼントする行為自体が、おろか極まる行為やった。

結果として、Wの手に渡ったカメラにより事件が起こされたと。
今にして思えば、ワイの行為に対する復讐やったんやな。

それでもや、
会社のトイレにカメラ仕込んで、自分の彼女を盗撮するて、
正直、理解できへん。
せやけど、しょうがない。今更ゆうてもな。

ワイは言い訳せえへん。

盗撮したんは事実や。
漫画でYさんを性的に描いたんも事実や。
線は、とうに越えてた。

それと同時に、
Wの気持ちにも、気づけてへんかった。

彼は、
ワイが好きやったらしい。

仕事も、感性も、
ワイが向ける視線も。

支配でも、嫉妬でも、
それだけでは足りへん感情やった。

(Yさんを撮ってた)カメラをプレゼントされた時がキッカケやったんやろうか…

もうええわ、と思った。

ワイが自首したらしまいや。
ワイは罪を犯したんや。

Wとも、Yさんとも、腹割って話し合った。
罵倒も、涙も、なかった。

Wは会社を辞めた。
Yさんとも別れた。

3人仲良かった時を思い出す…

ある日、
Yさんが、そっち系の店で働いてるとの噂を聞いた。
Wの本心にも気づいとったわけで、色々悩んでたんやな。

ほんでや、
なんやかんやワイは、
その店に通っとる。

色々あって、最初は戸惑ったけど、ハッキリいって最高や。
向こうも仕事やしな。

Wとも話をした。

皮肉なもんや。
昔みたいに、
人生の話をするようになった。

元通りやない。
でも、嘘もない。

人生、
何が起こるかわからんな。

せやけど一つだけ、
はっきりしたことがある。

断罪されたんは、
一番わかりやすい“悪”やなかった

ほんまに怖いんは、
自分では「正しい」と思ってた
静かな行為や。

それを、
ワイは最後まで手放されへんかったんやな。

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